車検を2週間後に控えたある日のこと。東京から両親を乗せて、九州のドライブを楽しんでいました。
しかし、熊本県のガソリンスタンドで燃料を入れた直後、その平穏は突如として破られます。
「ピコン」という警告音と共に、メーターパネルに表示されたのは『エンジン故障:要修理』の文字。

血の気が引きました。ここは自宅から1,000km以上も離れた熊本の地。この先、長崎、広島、兵庫と宿を予約しており、しかも奮発して高い宿をとっているので、ここで車が止まってしまったら・・・・
ホテルのキャンセル料もやばいことになります・・・。
頭をよぎるのは、自動車保険のカバー範囲です。最寄りのディーラーへの搬送や帰宅のための交通費や宿泊費は出るはずですが、レンタカー費用や、東京に戻った後の引き取り旅費などはどうなるのか? それとも積載車で東京まで保険でカバーして運んでくれるのか……。
両親はこの静かな騒ぎに気づかず、旅の続きを心待ちにしています。窓の外はあいにくの雨。私は路肩に停車すべきか迷いましたが、エンジン自体に異変は感じられません。「このまま止めたら二度とエンジンがかからないかも?」という恐怖と、「エンジン再始動で表示は消えるかもしれない」という期待を胸に、そのまま長崎へと車を走らせる決断をしました。
しかし、途中で再始動を繰り返しても、やはりエンジン始動後約30秒後には警告が表示されます。
実は『エンジン故障:要修理』の表示が出るのは初めてではなく、過去に2回くらい経験しています。いずれも「DPFシステム(排気ガス浄化装置)の異常」によるものでした。 仮にDPFの異常の場合は、エンジンに直接の影響はないので、排気ガスは浄化されないものの走る続けることはできるのです。
しかし、過去に2回経験した「排気ガス浄化装置の異常」とは様子が違いました。以前は赤いスパナマークと共に、エンジン警告灯やAdBlueの表示が点灯しっ放しでしたが、今回は「オレンジ色のスパナマーク」が点灯するだけ。他の警告灯は一切点灯しないのです。

↑これが、排気ガス装置が異常になったときの表示です。 スパナマークと共にAdBlueのランプとエンジンのランプが点灯しっぱなしになっています。 しかも、スパナマークはオレンジではなく赤いんです。
今回はスパナマークはオレンジだし、他には警告ランプは点灯していません。
走っていてエンジンには特になにも変化を感じませんでしたので、そのまま強行でその後のスケジュールをこなすことにしました。
先日のリコールでエンジンのECUのソフトウェアアップデートをしたばかりなので、もしかしたら単なるコンピュータのエラーかもしれないですし。

エンジンがおかしくなったらおかしくなったで仕方ない。その時はその時だ!
と思いつつ、警告が表示されてから4日間、1,500kmを走り、無事に東京に戻ってきました。
そして、車検(に預ける日)までは3日と迫っていました。この後長距離走行の予定はないものの、毎日車は使います(20kmくらいは走る)。 なんだかんだ何事もなく九州から1,500kmを走ってきたので、このまま車検まで引っ張ってもいいかなと思いましたが、不安もあるため念の為ディーラーに飛び込んでみました。
診断機が埋まっていてすぐには診断ができないので、車検の前倒しでこのまま預かりたいと言われたのですが代車が空いておらず、車も使う予定があったので、車検で車を預ける予定を1日前倒しにしてもらい、それまでは乗ることにしました。(ディーラーとしてはできれば原因を特定してから乗っていて欲しかった模様。そりゃそうですよね)
ただ、ディーラーの担当者さんも、スパナマークだけが点灯し続けることに疑問を感じていたようでした。 エンジン故障の場合はスパナマークの他に、それに関連する表示も一緒に出るのが普通だそうで、仮にエンジンに異常が発生しているのであればエンジンのランプがずっと点灯するはずだとのことでした。
なので、いますぐ致命的になる異常が起きているということも考えにくいということで、あと2日耐えます!
【原因判明】警告灯の正体と、修理にかかる費用(2026年7月3日追記)
今回のトラブルについて記事を公開したところ、同じ症状を経験された方々からコメントをいただきました。皆さんの情報を参考にさせていただき、またディーラーでの診断の結果、今回の警告の正体が判明しました。
警告の正体:「EOLYS(イオリス)」システムの不具合
原因は、プジョー・シトロエン特有の電子制御添加剤タンクシステム「EOLYS(イオリス)」の不具合でした。これはAdBlueとは別に、DPF(粒子状物質除去フィルター)に煤が溜まらないよう、給油のたびに燃料へ添加剤を注入するシステムです。
給油直後にエラーが出たのは、まさにこの「給油時に添加剤を注入する機能」が正常に作動しなかったためだと判明しました。 ※参考:みんカラの関連情報はこちら
修理内容と気になる費用
ディーラーからの診断結果は「添加機能の故障によるタンク交換が必要」というものでした。
修理費用は以下の通りです。
- FAP ADDITIVE RES(ポンプとタンク?): 56,650円
- PARTICULATE(添加剤): 13,530円
- 工賃: 44,000円
- 合計:114,180円
まさかの約12万円コースです……!
クリーンディーゼル車は燃費も良く、軽油代も安いため経済的ですが、排気ガスを浄化するための繊細なシステムが複雑で、ここが壊れるとこのように大きな出費になってしまうのが悩ましいところです。これまで2度のDPF関連リコールも経験しており(費用こそはかかりませんでしたが)、ディーゼル車としての燃料費の恩恵は、今回の修理で相殺されてしまったかもしれません(笑)。
とはいえ、もし今回、エラー表示に慌てて旅行を中断してレッカーを呼んだりしていたら、色々と面倒で大ごとになっていたはず。冷静に判断して、両親との旅を最後まで楽しめたことは、今となっては不幸中の幸いだったと感じています。
同じような警告が出て不安な方の参考になれば幸いです!
おまけ: EOLYSとAdBlueの役割についてAIにまとめてもらいました。⬇︎
プジョーやシトロエンなどのPSAグループ(現ステランティス)のディーゼル車において、EOLYS(エオリス)とAdBlue(尿素水)は、どちらも排ガス浄化とDPF(ディーゼル微粒子捕集フィルター)の維持のために存在しますが、その役割とアプローチは明確に異なります。
1. EOLYS(エオリス)の役割:燃焼温度を下げる「触媒」
EOLYSは、燃料タンクの軽油に微量が自動的に混入される「燃料添加触媒」です。
目的: DPF内に溜まった煤(すす)を焼き払う(DPF再生)際、通常なら約600℃以上の高温が必要なところ、EOLYSの成分が触媒となって約450℃程度まで再生温度を下げる役割を果たします。
メリット: 低負荷走行や街乗りなど、排気温度が上がりにくい環境でも煤を燃やしやすくなるため、DPFの詰まりを抑制します。
運用: 車両の走行距離に応じて専用タンク(またはパウチ)から自動注入されます。AdBlueとは完全に独立したシステムです。
2. AdBlue(尿素水)の役割:有害物質を分解する「洗浄剤」
クリーンディーゼル車全般に搭載されている「SCR(選択触媒還元)システム」の一部です。
目的: エンジンから排出される窒素酸化物(NOx)を、窒素と水に分解・浄化します。
運用: マフラーの中(DPFの後段)に噴射されるもので、燃焼室には入りません。
まとめ:2つのシステムの関係性
AdBlue: 排気管の中に噴射し、主に「NOx(窒素酸化物)」をクリーンにする。
EOLYS: 燃料自体に混ぜて燃焼室に送り込み、DPF内部の「煤(すす)」を低温で効率よく燃やす。
ということです。 勉強になりました。


コメント
私も同じ症状が1ヶ月前に出ました。しかも同じようにディーゼルガソリンを入れた後です。すぐに貴殿がブレーキパッドを交換した墨田区の整備工場に行きました。私はいつもその整備工場でお世話になっています。診断機にかけたら、エラーコードP1434:96 添加剤ポンプの故障が出ました。たまたま何かの不具合で出たようで、エラーコードを消してもらいましたら、一ヶ月経過していますが、全くスパナマークは出ていません。
情報ありがとうございます!
添加剤ポンプですか・・・。前回の車検の時に、プジョー3008にはPAETICULATEとかいう専用の添加剤を入れるポンプがあるようなことを言われまして、任意での添加を勧められたのですが、3万円かかるということで断った記憶があります。(通常は20万キロくらい走らないとなくならいそうで、減ってくると警告がでるそうです。もしかしたら、その添加剤補充の警告がこれだということになるんでしょうかね。
ちょうど明日ディーラーに預けるので、参考になりました。ありがとうございます!
https://bloghouse.work/2024/08/14/peugeot3008gt-blue-hdi-vehicle-inspection-129530km/#toc2
追伸です。 ちなみに、カズマル様のお車の走行距離はどれくらいでしょうか?
もしかしたら添加剤の補充が必要という警告だったりはしませんかね?
添加剤の補充にはディーラーでは3万円以上かかるので、けっこう痛いですが、補充しないとダメなものなんでしょうかね。
とにかく、明日車を預けて、どういう結果になるか。わかったら記事に追記いたします!
今回の記事は今後の自分の車にも起こり得ることなのでとても参考になりました。ありがとうございます。ちなみに私の車は走行距離が14万キロなので次回、またスパナマークが表示されたら考えないといけないですね。それにしても相変わらずディーラーの工賃の高さには驚かされます。笑笑
カズマル様
14万キロなんですね。
そもそも添加剤(EOLYS)が残り少なくなった、もしくは無くなった場合の警告はどのように出るのかがわからないんですよね。
今回のように『エンジン故障 要修理』だけなのか、それと別のメッセージが出るのか?AdBlueには専用のランプがあるのでわかりやすいですが・・・。
『エンジン故障 要修理』の表示が出たら、とりあえずディーラーでエラーコードを確認して判断してもらうしかないのでしょうかね。
こちらのサイト⬇︎では、『EOLYSは1タンクあたりおおよそ80,000km~100,000km分を賄うことが可能』と書かれています。
https://jlmlubricants.jp/psa-dpf_eolys_guide/
また『最近の車両はEolys警告灯を搭載しています』とも書かれています。(しかし、今まで乗っていてそういう警告は見たことないですし、取説にも書いていないと思いますし)
もしかしたら、私もぽけぽけさんも走行距離17万キロを超えていますので、実は添加剤はとっくになくなっていて、ずっと空のままでポンプが壊れたのではないか?とも思ったりしました。
カズマルさんの場合は、たまたまエラーだったということですし、リセットしたら警告が出なくなったということなので大丈夫だとは思いますが。
しかしまぁ、ポンプの取り替えと添加剤補充で約12万円はきついです!
はじめまして
当方もエンジン故障 要修理で表示も同じだったと思います。2019年ものです。
当時ディーラーでは初めてのことらしく、???でしたが、、、
2023/06/27 パティキュレートタンク交換
179,150km
と、相成りました。
たまたま不良品だったのか交換後しばらくしてもう一度交換することになりました。
左リアタイヤハウスの内側にあって燃料に添加しているようです。タンクはタンクだけなのかポンプ一体なのかは未確認です。
費用も明細が見当たらず分かりません。
EOLYSのことではないかと思いますが、ディーラーでは上記名称でした。
あまり役に立たずすみません。
それにしても長距離移動中にもかかわらず状況を冷静に判断されていて凄いですね。
ぽけぽけ様 コメントありがとうございます。
同じ年式で走行距離も同じくらいですね。
私は、171,000km走行の給油直後に『エンジン故障 要修理』が出ました。
『EOLYS』というのは初めて聞いたので調べてみたところ『プジョー、シトロエンの(独自の?)電子制御添加剤タンクシステム』のようですね。
なかなか情報少ないですね。
みんカラのこの方の記事を参考にさせていただきました。
https://minkara.carview.co.jp/userid/1377780/blog/48626714/
添加剤は10〜15万キロもつとのことですので、17万キロくらいだとなくなってしまうタイミングなのかもしれません。
添加剤は給油直後に微量を添加するシステムらしいので、給油直後にエラーが出たのもうなずけます。
多分、17万キロを超えて走る車が少ないので、経験談や情報も少ないのかもしれません。
私は、DPF絡みで何度か『エンジン故障 要修理』の表示を経験しており、DPFシステムも2回リコールされたのもあり、またDPF絡みのエラーだろうと思ったのと、エンジンの調子に異常も感じられなかったので旅行を継続しました。「エンジンがかからなくなったら、その時はその時だ」と思いながらもちょっと不安ではありましたが、途中で慣れました笑
しかし、エラー表示に慌てて旅行を中断し、レッカーを呼んだりしていたら大ごとになっていただろうなと思います。
さっきディーラーに預けてきたばかりで、まだ真相はわからないのですけどね。
ディーラーの診断を待ちます。
情報ありがとうございました。